「道路を考える会:NPO_もいわ」は「市民のまちづくり」の一環として 身近な「道路」の在り方について 考えています。 => 当会HP
今回の考察では 都市計画の一環としての当該道路計画の成り立ち, 計画変更・策定の審議履歴,公共施設に関わる 過去・現在・将来計画の
有り様 等を評価・検証してみる事にしました。
主題・背景・視点は 次の通りです。
・ 「南19条通を例とする 住宅市街地区内の一般路面道路を 大量交通路:6車線に拡張する」という全国的にも異例な計画を
良識ある都市計画審議会委員・市議会議員・市民・地域住民の間で どのような知識・情報を基に議論・審議を経て
今日に至っているのかを実態精査・検証する事。
・ その上で 当面の道路課題の一つである 交通渋滞 に焦点を当て 道路交通関連法政令・道路交通工学 の基本を踏まえて
交通量の現状と将来(需要面)・道路施設の現有能力(供給面) から 相応する諸対策 を考察しました。
・ 当該道路を「6車線」に拡張すべき合理的な根拠がない事を検証します。
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・ 考察の結果は「計画決定者:審議会委員」 にも提示して 市民・地域住民と協働で相応の計画見直し・決定を促す為の
一助と考えています。
・ 市民・住民の有意義な多くの意見・要望が 計画執行部門(市行政)に収集されていても 限られた委員数・審議時間制約
の下では 計画決定部門(審議会)には 必ずしも詳細情報が全て正しく伝達されず 審議会等での実のある議論・審議が
行われていない実態が 諸審議会議事録・資料でからも読み取ることができます。
・ 今後とも 間違っても データを基にした実質的な審議根拠の無い状態で 次のような「執行部門(市行政)判断」が示される
ことがないように 市民として「協働」する積りです。
・ 市民を代弁者でもある市会議員諸氏をも含めて 緻密・厳密な政策決定を行い 市行政諸氏に 敏速且つ効率的な事業執行
を促す事が肝要です。
・ 民意を反映させる場である市議会に提示した 市民の貴重な「陳情:課題提起・意見・提案」は 議員が如何に変わろう
とも 審議判断結論が出るまでしっかりと継続審議されるべきであり 議会選挙によって「陳情提案」が本人の知らぬ
ところで 議会・議会事務局によって 自動的に「廃案」として扱われてしまう「慣行」は 即「改善」されるべきです。
総務省自治行政局行政課にもあるように 地方分権に精神に基ずいて 地方議会が自主的に 市民の意向に沿った判断を
すべきです。
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尚 道路設計に関わる 道路設計計画等技術 については 別途「考察」することにします。
・ 現在 札幌市環状道(南19条通)で 「4車線」から「6車線」への拡張計画が進められようとしています。
・ この計画は 都市計画法関連法規定基づいた 札幌市都市計画審議会 による決定であるとされています。
◆ 札幌市都市計画の体系 ◆ 札幌市計画決定工程
◆ 都市計画法関連:* 320 〜 * 335 ◆ 札幌市都市計画・審議会・計画見直し関連:* 351 〜 * 390
・ 「道路車線数・道路構造」等項目は 都市計画法,都市計画法施行令,都市計画法施行規則において定めるものと規定されていますが 事実確認を
行った結果 札幌市の「都市計画審議会」では 地域毎道路の詳細交通量データ等に基づいた「6車線」の必要性・妥当性など 根拠となる議論・
検証が 如何なる審議・検討会においても 一切実施されていない事が判明しました。
・ 道路をはじめ 多くの各種公共設備については「多く造る」時代から「有効に活用する」時代に大きく社会認識が変化している事を 十分に踏
まえて 都市計画・まちづくり計画を 策定する事が肝要です。
★ 本考察では 過去の計画決定経緯,計画見直し経緯,工事履歴,関連法・政令・規則,諸交通関連対策の効果評価等々を調査・検討して 課題
解決策を提案する事としました。
★ 当該「環状道」については 過去の計画実践事例を挙げて その課題を考察しました。
★ また 当該「環状道」に関連する「交通量」については 国土省・北海道警察・札幌市をはじめ 他都市の都府県警察機関・都府県市町村等の
情報を参考にしました。
★ 当該「環状道」を含め 諸道路計画決定に際して 該当地域環境・地元地権者/住民と共に 過去・現在・将来を見据えて検討・検証する事が
公共事業経営の為に如何に重要であるかを再認識しています。
「市民による 効果的・経済的 まち創り」の原点は 当然ながらこの一点に集約されるでしょう。
★ 各立場・各視点で「思考を深め」,常に「正しい情報の共有」を図る事が 肝要であると判断します。
P・D・C・A Why & 4W1H 定性 & 定量
・ 計画策定・決定の役務を担う者の [責務]
審議会委員(見識者,議員,応募市民,都道府県職員), 市民/地域住民, etc
広い視野で情報を掌握・分析し 実行的な計画策定が肝要
・・・ [P]&[C]&[A] 立案/計画, 検証/評価, 改定/改革
(Planning, Evaluation, ReStructuring)
・ 道路等公的設備を利用する者の [責務]
市民・当該地域住民,etc
公私を踏まえた 建設的提案・提言が肝要
・・・ [P]&[C]&[A] 利用者,利害関係者
(User, Steak Holder, Evaluation)
・ 決定事項を効率的に遂行する任務を担う者の [責務]
行政当局,etc
部門間の連携に努め 組織一体化した公務執行が肝要
・・・ [D]&[A] 実務実践者, 保守/改善
(Do_er, Performer, RePair/ReStruction)
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・ 札幌市都市計画道路は 昭和11/1936年に初めて計画決定されて以来 激変の社会変化を経てその都度「道路」の存在価値・目的などが大幅に
見直されて 計画改定を繰り返して来ました。
・ 「環状」型道路は
昭和11/1936年から昭和32/1957年「防空避難・防火/防災避難」等を目的とした戦中・戦後直後の時代を経て 昭和40/1965年代の社会
復興・成長時期を迎え 初めて車両交通路として重要な役割を担う「自動車交通」道路が公共施設の一員として認識され 現在の「環状道」
構想に至りました。
・ 現在の環状道が「道路幅員:36m/27m」とされたのは
昭和40/1965年建設省告示(*230) 及び 昭和44/1969年北海道告示(*240)により変更決定されたもので 西部・南部区域を狭幅員:27mに設定
したのは 郊外区域に位置する北部・東部区間(広幅員36m) に比べて高密度住宅地中心地域である事を配慮した結果と考えられます。
★ 道央地区・市街地区・郊外地区・商工業地区・住宅地区等 将来を展望して 各使用者・居住者の立場を踏まえた公共施設計画を 広く公知・
公開の場で議論・決定する事が求められています。
★ 以下の諸法・政令は 札幌市都市計画策定・検討するに当たって欠かす事のできない 基本的な規範です。
これらを十分に踏まえた上での 充実した審議望まれています。
・ ここで 道路計画を含む都市計画決定の法的手順規定を確かめる事にします。
[参考] *320 都市計画法,*325 都市計画法施行令,
*326 都市計画審議会の組織及び運営の基準を定める政令
・ 都市計画法は 昭和43/1968年6月に制定されました。 *320 都市計画法
「都市計画審議会」設置が規定され その役務が明記されています。
[抜粋]
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し
必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある
発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。
(都市計画の基本理念)
第二条 都市計画は、農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を
確保すべきこと並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本
理念として定めるものとする。
(都市施設)
第十一条 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる施設を定めることができる。この場合において、
特に必要があるときは、当該都市計画区域外においても、これらの施設を定めることができる。
一 道路、都市高速鉄道、駐車場、自動車ターミナルその他の交通施設
二 公園、緑地、広場、墓園その他の公共空地
:
3 道路、河川その他の政令で定める都市施設については、前項に規定するもののほか、適正かつ合理的な
土地利用を図るため必要があるときは、当該都市施設の区域の地下又は空間について、当該都市施設を
整備する立体的な範囲を都市計画に定めることができる。この場合において、地下に当該立体的な範囲
を定めるときは、併せて当該立体的な範囲からの離隔距離の最小限度及び載荷重の最大限度(当該離隔
距離に応じて定めるものを含む。)を定めることができる。
第五章 社会資本整備審議会の調査審議等及び都道府県都市計画審議会等
(都道府県都市計画審議会)第七十七条
第七十七条 この法律によりその権限に属させられた事項を調査審議させ、及び都道府県知事の諮問に応じ
都市計画に関する事項を調査審議させるため、都道府県に、都道府県都市計画審議会を置く。
2 都道府県都市計画審議会は、都市計画に関する事項について、関係行政機関に建議することができる。
3 都道府県都市計画審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める基準に従い、都道府県の
条例で定める。
(市町村都市計画審議会)
第七十七条の二 この法律によりその権限に属させられた事項を調査審議させ、及び市町村長の諮問に応じ
都市計画に関する事項を調査審議させるため、市町村に、市町村都市計画審議会を置く
ことができる。
2 市町村都市計画審議会は、都市計画に関する事項について、関係行政機関に建議することができる。
3 市町村都市計画審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める基準に従い、市町村の条例で
定める。
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・ 都市計画法施行令は 昭和44/1969年6月に制定されました。 *325 都市計画法施行令
都市施設について都市計画に定める事項として 道路:種別及び車線の数,その他の構造 が明記されています。
[抜粋]
第二章 都市計画
第一節 都市計画の内容
(大都市に係る都市計画区域)
第三条 法第七条第一項第二号 の大都市に係る都市計画区域として政令で定めるものは,地方自治法(昭和
二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市(以下単に「指定という。)の区域
の全部又は一部を含む都市計画区域(指定都市の区域の一部を含む都市計画都市」区域にあつては,その
区域内の人口が五十万未満であるものを除く。)とする。
(都市施設について都市計画に定める事項)
第六条 法第十一条第二項 の政令で定める事項は,次の各号に掲げる施設について,それぞれ当該各号に定める
ものとする。
一 道路 種別及び車線の数(車線のない道路である場合を除く。)その他の構造
:
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・ 都市計画審議会の組織及び運営の基準を定める政令は 昭和44/1969年2月に制定されました。
*326 都市計画審議会の組織及び運営の基準を定める政令
審議会の委員は 市長が任命する次の者とされています。
学識経験のある者,市町村の議会の議員,関係行政機関若しくは都道府県の職員又は当該市町村の住民
[抜粋]
(趣旨)
第一条 都道府県都市計画審議会及び市町村都市計画審議会(以下「審議会」と総称する。)の組織及び運営の
基準に関しては、この政令の定めるところによる。
(都道府県都市計画審議会の組織)
第二条 都道府県都市計画審議会を組織する委員は、学識経験のある者、市町村長を代表する者、都道府県の議会
の議員及び市町村の議会の議長を代表する者につき、都道府県知事が任命するものとする。
2 都道府県知事は、前項に規定する者のほか、関係行政機関の職員のうちから、都道府県都市計画審議会を
組織する委員を任命することができる。
3 前二項の規定により任命する委員の数は、十一人以上三十五人以内とするものとする。
4 都道府県都市計画審議会に、特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、臨時委員若干人を置く
ことができるものとする。
5 都道府県都市計画審議会に、専門の事項を調査させるため必要があるときは、専門委員若干人を置くこと
ができるものとする。
6 臨時委員及び専門委員は、都道府県知事が任命するものとする。
(市町村都市計画審議会の組織)
第三条 市町村都市計画審議会を組織する委員は、学識経験のある者及び市町村の議会の議員につき、市町村長が
任命するものとする。
2 市町村長は、前項に規定する者のほか、関係行政機関若しくは都道府県の職員又は当該市町村の住民
のうちから、市町村都市計画審議会を組織する委員を任命することができる。
3 前二項の規定により任命する委員の数は、五人以上三十五人以内(地方自治法 (昭和二十二年法律第六
十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市にあつては、九人以上三十五人以内)とする
ものとする。
4 前条第四項から第六項までの規定は、市町村都市計画審議会について準用する。この場合において、同条
第六項中「都道府県知事」とあるのは、「市町村長」と読み替えるものとする。
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・ 都市計画法(*320)に基づき 札幌市都市計画の体系(*352)を定めています。
* 353A1 都市計画決定手続き図
* 370M 札幌市都市計画見直しの工程
[参考] 都市計画法:「都市計画の決定及び変更」規定(*320A) *353 札幌市都市計画決定手続き
・ 都市計画道路の計画策定については 道道路構造令(*810)で道路一般的技術的基準が定められています。
社会情勢の変化に伴い 「道路」は公共施設の重要な要素として 見直しが重ねられてきました。
* 830 わが国における歩行者道路の歴史
* 835 「道路構造令の解説と運用」にみる 日本の道路計画・設計思想の変遷
* 811 道路構造令の一部を改正する政令案について 2001/平成13年4月19日 国土交通省
「抜粋」 :
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1. 改正の背景
国土交通省では、車道を中心として道路全体の構造を定める現在の考え方を改め、歩行者、自転車、
路面電車等の公共交通機関、緑及び自動車のための空間をそれぞれ独立に位置付けるとともに、
これらが互いに調和した道路空間となるよう道路構造の再構築・見直しを図るため、道路構造令の
改正を行う。
1.概要
i. 自動車から独立した歩行者・自転車の通行空間の確保
自動車の他に、自転車や歩行者それぞれの交通主体の通行のあり方に着目して、自転車道、
自転車歩行者道及び歩道の設置要件を明確化するとともに、歩行者の交通量に応じて幅員を
定めることとする。
また、日常生活において利用される住区内道路(1車線道路)においては、必要に応じて自動車の速度
を抑制させるためのハンプ(路面の凸部)、狭さく等を設置する。
ii. 公共交通機関(路面電車)の通行空間の確保
路面電車の通行空間である軌道敷、路面電車等から乗降する者の安全を確保するための施設(交通島)
を位置付けることにより、路面電車、自動車及び歩行者等の安全な通行を確保する。
iii. 「緑」空間の増大
植樹帯を設置すべき道路の対象を、現行の第4種第1級の道路から第4種第2級の道路まで拡大し、
都市部の幹線道路(2車線道路を含む。)には、原則として植樹帯を設置する。
iv. 環境負荷の少ない舗装の導入及び舗装の構造基準の性能規定化
道路交通騒音の低減、集中豪雨時における都市型水害の発生の抑制等に資する「透水性」舗装を都市部の
道路に導入する。
また、舗装技術の進展を踏まえ、舗装材の種類による仕様規定を改め、材質をとわず所要の性能を満た
せばよいこととする性能規定とする。
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・ 最新の道路法に基づく道路一般的技術的基準は 「道路構造令の各規定の解説」にまとめられています。
(*820) (*820A) (*821) (*821A) (*822) (*822A)
「抜粋」
4: 環状道計画の実行履歴 [註] 当考察に関連する区間情報のみ掲載しました。 |
★ 時代と共に 改定・改変を重ねる「法・政令」を踏まえて 現在に至る「札幌市環状道(3・2・10号線)」に関する「計画・実践 状態」を
考察してみました。
★ 特に 旧来の制度を大幅に見直して1968/昭和43年に制定された* 320 (新)都市計画法は * 700 道路法 ・ * 800 道路交通法・
* 810 道路構造令などにも波及し 大改定されました。
★ 1999/平成11年に成立した* 345「地方分権一括法」 とも相まって 従来 国が主体となり決定されてきた「都市計画」も各地方自治体が
主体となり 地域固有の地勢・需要に即して策定・決定する事が求められてます。
★ 公共設備としての「道路」機能が 従来の「自動車優先」から 一層「歩行者重視」へと大転換された事も都市計画策定・見直しに 欠かせ
ない「視点」です。
当時は居住者の少ない郊外区域であったことも起因して 昭和45/1970年以降着々と整備が進められ 現在はすべて整備完了している様です。
固有の学校敷地制約により 当初計画の実行には課題が多く 昭和42/1967年から計画見直し検討が難航し 平成9/1997年に最終計画変更決定
されるまで約30年の歳月,総経費約200億円を掛け 平成13/2001年に約1.1Km区間の開通に至りました。 (*410)
計画構造からの主変更点は 次の通りです。 札幌市HP エルムトンネル
・・ 路面道路 ==>> 地下道路
・・ 一般道路(歩道付) ==>> 車道専用道路(歩道なし)
・・ 路面歩道付道路 ==>> 車道専用道路
★ 地域住民を含めた「実効性のある計画立案・策定」が 如何に重要であるかを改めて問われています。
昭和48/1973年 円山東部の裾に環状線市道(幅員27m,6車線)を建設する計画に対して 地域地権者・住民は計画が 都市計画法(1968/昭和四十
三年)に基づいたものではない事を指摘した上で 円山の自然環境保護,静かな住宅環境維持等を希望し 市当局に計画見直しを求めました。
約3年間の協議の上 昭和53年 位置・構造に関する住民提案をも加味した大幅計画変更案が提示されるに至りました。
変更点は;
6車線から4車線にする事 段差道路
2車線分を歩道・緑地帯等として確保する事
近隣の寺院・墓地への土地改造を最小化するために 円山山麓を削り崩す事とする
etc
「自然」守った住民パワー 北海道新聞記事 昭和52/1977年6月12日付
地図:環状道_南円山区間 地図:環状道_南円山龍興寺地域
★ 当時の行政当局管理者人事異動の度に説明内容が変わる事から 如何に「計画策定が未成熟」であるかを露呈したものと考えます。
★ 大工事を完了して30数年経た現在 あくまでも暫定対策であり 「未整備」区間として将来 再工事の予定である事を マスコミを含めて
市民に「公表」している行政当局に対しては 審議会・議会・市民が結束して積極的に計画策定に関与せざるを得ないと判断します。
★ 当時 携わった北海道自然保護協会会員・地域住民は 直接当局から「未整備」区間であるとの説明を聞き 当時の担当部長達との対話を
思い出して 現在進行中の「環状道:南19条通」案件と関連して審議会・行政当局と計画策定に関わる決断を下しています。
★ 地域住民を含めた「実効性のある計画立案・策定」が 如何に重要であるかを改めて問われています。
4.4 南部区間 :南19条西7〜10丁目区間 & 西11〜15丁目区間 |
札幌市行政は 都市計画決定年月日:昭和40/1965/4/7/02付建設省告示の 札幌市「環状道」計画決定が 現在も「有効」であるとして 50年経た
現在」「 幅員27m・6車線」計画を整備執行しようとしています。
*440 札幌市からのお知らせ:札幌圏都市計画道路事業3・2・10号環状道(南19条)の整備事業について
・・・都市計画決定年月日 昭和40/1965年7月2日(環状道形状となる)
*560 行政対話【南19条通:環状道の「計画決定」について】
地域の地権者・住民は
= 法(*811A 抜粋:道路構造令の一部を改正する政令案について) ,(*820A 抜粋:道路構造令の各規定の解説)
等に基ずいた「当該地域道路区分の審議・議論」が実施されていない事
= 道路構造令(自転車歩行者道)に規定する歩道幅 (* 825) が満たされていない事
= 一般生活道を6車線にするという異例ともいえる計画に正当な理由がない事
= 多車線化する必要性がない事
= 現状の4車線でも十分な交通量規定されている歩道幅が確保されない事
= 生活居住空間を南北に分断されてしまう事
= 横断歩道距離が増す事で 幼児・学童・障害者等を含めた体力弱者に 体力負担,安全リスクが増す事
= 将来交通量増加予測に疑問がある事
= 将来交通量増加予測に疑問がある事
などを指摘して 法に従い都市計画審議会等の再検証を通して幹線道路の各区域の審議をも含めた「実質的な計画の見直し」実施を求めて
います。
環状道(南19条)の整備事業:「南19西11(石山通)〜西14(市電通:西路線・福住桑園線) 区間」
札幌市からのお知らせ H16/2004/2/23付
拡大図:南19西11(石山通)〜西14(市電通:西路線・福住桑園線) 区間
環状道(南19条)の整備事業:「南19西7(市電通:東路線)〜西11(石山通) 区間」
札幌市からのお知らせ H27/2015/May付
拡大図:南19西7(市電通:東路線)〜西11(石山通) 区間
★ 両区間とも 市のお知らせで初めて「4車線」から「6車線」への拡張計画を知り 上記諸理由 及び 代案を提示を提示したうえで 法に従った
「計画見直し」を求めています。
★ 50年も前の 昭和40/1965年建設省告示:札幌市「環状道」計画決定を 最新の都市計画法・道路法・道路構造令などに基づいた「地区毎・
区分毎道路」の「見直し審議」を実施せず 旧計画:「幅員27m・6車線」を強行に執行しようとする行為を 審議会を含めて市民・住民が
民主的に経済・財政の効率面など共に 総合的視点で議論する時期を 今迎えています。
★ 南円山地域を含め 過去に多大な投資を経て現在4車線の西部区間(南2西27〜南7西25 & 南9西22〜南19西15)を 再度「6車線化」に向けての
投資 ,未拡幅の土地習得に10億円を超す投資 更には道路計画未定のまま 現在計画中の電線埋設道路工事などは 多額な経費の「無駄」に
つながる事を 無視する事は決して認められません。
★ 単に「道路:車線」だけの問題ではありません。市民・市議を含めて しっかりと総合的に議論する時期を まさしく今迎えていると云え
ましょう。
★ 都市計画法,都市計画審議会,道路法,道路構造令など 関連する法規制に従い 政令都市:札幌市の190万市民,市民選出市議会議員,
執行部行政 三者が協働した「まち創り・道路造り」に努めています。
[参考]:
市民の「道路を考える会」 会報集 「右折レーン導入」計画:市民提案
マスコミ情報 HBC-TV: 環状道(南19条)の整備事業について H26/6/11放映 〜〜
その他 対行政情報は 市民の「道路を考える会」をご参照ください。
・ 「道路」は 防災・防火・緑地を主目的として計画されてきた時代を経て 「車両交通量」に相応して構築される公共施設として今日に至っています。
・ 平成13年には従来の「車道を中心として道路全体の構造を定める現在の考え方」から「歩行者・自転車」等をも含めて調和のとれた「道路空間」と
する運用の大転換が閣議決定され平成16年の「道路構造令」改定* 820Aに至っています。
・ 「需要・供給」,「過去・現在・将来」,「質・量」,「費用対効果」などなど「計画策定」に欠かせない考察とその計画を「評価・検証」する
工程を「吟味」することが 当然「道路計画」にも求められています。
・ 「道路計画」は地域の「建築基準」とも深く関わりがあり 結果としては「都市造り,まち創り」におおきな影響を与える事を視野に入れる事が
肝要です。
5.1 「交通量」の課題認識
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・ [環状道-北部区間 :北海道大学構内 エルム・トンネル区間]について
当区間検討中で車両交通量に関して主争点としたのは ;
・・ 「いつ・どのような交通量」を想定して審議検討を実施したのか?
・・ 「6車線」を正当化する交通量として 最終的に如何なるデータを基にして計画変更決定がなされたのか?
| これらに対する 当時の審議会検討・決定の過程議事録は 何処にも記録が残されていないようです。
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・ [環状道-西部区間:南2西27〜南7西25 & 南9西22〜南19西15)区間]について
昭和49/1974年に 地元住民が車両交通量に関して主争点としたのは ;
・・ 「緑地帯」として決定され計画を いつ・どのような交通量を想定した審議を経て「6車線」道路とする
決定がなされたのか?
・・ 何故 6車線にする必要があるのか その根拠データはどこにあるか?
| これらに対する 当時の行政説明は;
周辺道路の将来交通量増加を緩和する為には「最低限6車線」必要である。(・・根拠となるデータは 一切提示無し。)
出典: * 420A 抜粋: 市回答 6車線 北海道自然保護協会会報
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・ [環状道-南部区間:南19条西7〜10丁目区間 & 西11〜15丁目区間]について
平成24/2012年から 地元住民が車両交通量に関して主争点としているのは ;
・・ 「緑地帯」として決定され計画を いつ・どのような審議を経て「6車線」計画決定に至ったのか?
・・ 現状の「4車線」で 何処がどれだけ問題なのか?
・・ 「6車線」にしなければならない明確なデータは何か? その明確な根拠は何か?
・・ 上記情報・データを示して議論した審議会はいつなのか?
| これらに対する 現在の行政説明は;
都心部への通過交通を抑制しながら周辺道路の混雑を緩和するなどの重要な役割を担う道路として「6車線」で
「計画決定」されています。
出典: * 555 抜粋: 市回答 6車線 抜粋:平成27/2015/6/03付
* 555A 抜粋: 市回答 6車線 追加分 抜粋:平成27/2015/6/03付
* 555B 抜粋: 市回答 6車線 抜粋:平成27/2015/6/12付
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★ 上記いずれの場合にも 共通した課題があります。
@ 法・政令で規定している道路・交通諸項目を 都市計画市議会及び関連審議部会で一切 精査・検証していない事。
参考: ・・ 都市計画法施行令:抜粋 *ref322A,
・・ 都市計画法施行規則:抜粋 *ref325A,
・・ 道路構造令の各規定の解説:抜粋 *ref820A,
A データに基づいた「交通量:需要」と「道路:供給」の検討が不足している事。
★ 該当区間近傍の交通量を正しく把握し 地域固有の交通環境検証が求められます。
5.2 「交通量」の現状検証
環状道:南19条通(全4車線=片側2車線)の交通量実態を把握し 当該道路固有の「許容交通量=最大適正交通量」との「余裕度」比較を
検討してみました。
・ 当該道路の各交差点の交通量実測値は 次の通りです。
札幌市,北海道警察両データは 国土省ガイドに従って 季節差異の少ない「秋」に調査されています。
東向き,西向きの各々の交通量は 南北方向への右左折流出量 , 南北方向からの右左折流入量を 合算した車両量です。
直進右左折の詳細内容は * 647の 詳細図を 参照下さい。
交差点1: 石山通交差点の西11丁目側で 東向きに向かう車両数は 7:00〜18:00計 6069台/2車線 3035台/車線≒6069/2 です。
交差点2: 石山通交差点の西11丁目側で 西向きに向かう車両数は 7:00〜18:00計 5463台/2車線 2732台/車線≒5463/2 です。
札幌市と北海道警察の調査日,測定方法が異なるため データには差異がありますが 「交差点3」,「交差点11」,「交差点12」で
交通量が比較的多い事が分かります。
参考:
交通量データ--環状道 南19条通 H27/2015/7/02 by 北海道警察本部* 645
交通量データ--環状道 南19条通 & 他道路 H27/2015/9/01 by 北海道警察本部* 646 * 646A 〜 * 646F2
交通量データ--環状道 南19条通 H27/2015/6/25 by 札幌市総合交通計画部* 647
交通量データ--環状道 南19条通・・per 車線/Hr* 648
交通量データ--環状道 南19条通・・信号機タイミング & etc* 651
交通量データ--環状道 南19条通・・現状交通量集計* 652A * 652B
交通量データ・・許容台数比較 * 652C * 652D
交通量データ・・・QOSサマリー* 658
★ 上記の諸データが示すように 当該南19条通は現状交通量の最低でも約4倍まで「容量余地」がある事が分かります。
現在 一日の交通量は1万〜1万5千台(4車線計)ですから 4万〜6万台まで増えても 問題のない「道路設計」になっています。
★ 尚 諸データから 「容量余地度」を示す「交通量/容量比=QOS値」が 次に示す様に 区間の特徴を示している事が判ります。
以下 「道路基本容量」が最小値:1300台/車両/Hr(一番厳しい条件)と 最大値:2200台/車両/Hr(一番緩い条件)の
両場合について「都心部代表的区間」現状を検証します。 尚 「交通車両台数」は全て 1車線分に換算して評価してあります。
・ 「環状道:南19条通」の「東西」方向は どの区間でも QOS値=0.09 〜 0.25
・・・ 環状道:南19条通:西7〜西16 * 646A
・・・ 標準的基準交通量に対して 約4 〜 10倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「国道:石山通」の「環状道:南19条通」交差点の「南」方向は QOS値=0.22 〜 0.37
・・・ 石山通 * 646B
・・・ 標準的基準交通量に対して 約3 〜 5倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「菊水朝日山公園通」の「南8西8」交差点の「東西」方向は QOS値=0.15 〜 0.29
・・・ 都心部の一部 * 646A1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約3.5 〜 6.7倍の余裕ある事が判ります。
・ 「菊水朝日山公園通」の「南9西10:石山通」交差点の「東西」方向は QOS値=0.14 〜 0.41
・・・ 都心部の一部 * 646A1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約2.4 〜 7.1倍の余裕ある事が判ります。
・ 「米里行啓通」の「南14西15:市電通(西線)」交差点の「東西」方向は QOS値=0.11 〜 0.28
・・・ 都心部の一部 * 646B1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約3.6 〜 9.1倍の余裕ある事が判ります。
・ 「米里行啓通」の「南14西12/西13」交差点の「東西」方向は QOS値=0.08 〜 0.18 ・・・ 都心部の一部 * 646B1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約5.6 〜 12.5倍の余裕ある事が判ります。
・ 「米里行啓通」の「南14西10:石山通」交差点の「東西」方向は QOS値=0.12 〜 0.21 ・・・ 都心部の一部 * 646B1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約4.8 〜 8.3倍の余裕ある事が判ります。
・ 「米里行啓通」の「南14西6/西7:市電通(東線)」交差点の「東西」方向は QOS値=0.12 〜 0.25
・・・ 都心部の一部 * 646B1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約4 〜 8.3倍の余裕ある事が判ります。
・ 「環状道:89号線:6車線(3・3)」の「平岸1-10」交差点の「東西」方向は QOS値=0.12 〜 0.22
・・・ 6車線(3・3)環状道道路の一部 * 646C1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約3.7 〜 8.3倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「環状道:89号線:6車線(3・3)」の「平岸通」交差点の「東西」方向は QOS値=0.13 〜 0.22
・・・ 6車線(3・3)環状道道路の一部 * 646C1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約3.7 〜 8.7倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「環状道:89号線:6車線(3・3)」の「平岸6-10:羊ヶ丘通」交差点の「東西」方向は QOS値=0.11 〜 0.22
・・・ 6車線(3・3)環状道道路の一部 * 646C1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約3.7 〜 9.1倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「白石藻岩通:453号線:2車線(電車通)」の「南22西14:福住・桑園通」交差点の「南」方向は QOS値=0.15 〜 0.25
・・・ 2車線(電車通)の一部 * 646D1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約4 〜 6.7倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「白石藻岩通:453号線:2車線(電車通)」の「南21西11:石山通」交差点の「東西」方向は QOS値=0.05 〜 0.14
・・・ 2車線(電車通)の一部 * 646D1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約7.1 〜 20倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「白石藻岩通:453号線:2車線(電車通)」の「平岸3-14:平岸通」交差点の「東西」方向は QOS値=0.12 〜 0.25
・・・ 2車線(電車通)の一部 * 646D1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約4 〜 8.3倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「福住・桑園線:2車線」の「南29西11:石山通」交差点の「東西」方向は QOS値=0.11 〜 0.24
・・・ 2車線(電車通)の一部 * 646E1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約4.2 〜 9.1倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「福住・桑園線:2車線」の「平岸1-211:453号線」交差点の「東西」方向は QOS値=0.13 〜 0.24
・・・ 2車線(電車通)の一部 * 646E1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約4.2 〜 7.7倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「北1条宮の沢通」の「北1西17」交差点の「東西」方向は QOS値=0.18 〜 0.31 ・・・ 都心部の一部 * 646F1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約3 〜 5.5倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「北1条宮の沢通」の「北1西27:環状道」交差点の「東西」方向は QOS値=0.08 〜 0.27 ・・・ 都心部の一部 * 646F1
・・・ 標準的基準交通量に対して 約3.7 〜 12.5倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「北1条宮の沢通」の「北1西3:地下鉄南北線」交差点の「東西」方向は QOS値=0.24 〜 0.42 ・・・ 都心部の一部 * 646F2
・・・ 標準的基準交通量に対して 約2.3 〜 4.2倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「北1条宮の沢通」の「北1西2」交差点の「東西」方向は QOS値=0.19 〜 0.33 ・・・ 都心部の一部 * 646F2
・・・ 標準的基準交通量に対して 約3 〜 5.3倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「北1条宮の沢通」の「北1西1:創成川通西&東」交差点の「東西」方向は QOS値=0.20 〜 0.36 ・・・ 都心部の一部 * 646F2
・・・ 標準的基準交通量に対して 約2.8 〜 5倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「北1条宮の沢通」の「北1東1:大通東1」交差点の「東西」方向は QOS値=0.23 〜 0.45 ・・・ 都心部の一部 * 646F2
・・・ 標準的基準交通量に対して 約2.2 〜 4.3倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「北1条宮の沢通」の「北1東31」交差点の「東西」方向は QOS値=0.13 〜 0.22 ・・・ 都心部の一部 * 646F2
・・・ 標準的基準交通量に対して 約4.5 〜 7.7倍の余裕度がある事が判ります。
・ 「北1条宮の沢通」の「北1東6」交差点の「東西」方向は QOS値=0.21 〜 0.42 ・・・ 都心部の一部 * 646F2
・・・ 標準的基準交通量に対して 約2.4 〜 4.8倍の余裕度がある事が判ります。
★ 以上 当該「環状道:南19条通(現4車線)」に関わる各区間 ,他の「既6車線化環状道」区間 更に 都心部主要道路の現状交通量 及び
既設道路の「設計上の余裕度」を検証してきました。
この結果 明らかになったことは 「新たな道路新設・車道拡張は 不必要である」という事実です。
5.3 「交通量」の将来展望
過去長い間 増加の一途を辿ってきた自動車交通量ですが 今後は大きな転換期を迎える事になりそうです。
道央都市圏の将来「自動車」交通量は 今までとは異なり 「微減」が想定されています。
H22/2010年3月に開催された「道央都市圏総合都市交通体系調査協議会」で 今後20年先の社会情勢を分析した結果 全体交通量が6%減少するとの
予測を発表しました。
★ 量から質の時代に大きく変貌する時代 自動車全盛期も頂点に達する事を 意味しているものと思われます。
★ 情報技術の進展に伴い 遠隔勤務が浸透し 自動車交通量の多くを占める「通勤」の減少, 電子取引による買い物外出機会の減少なども
大きく影響する事をも示唆していると考えます。
★ 陸・海・空の高速・大量物質移動路,豊かさを求める観光・娯楽の移動路として「道路」の主用途が大きな変換期を迎える事が予期
されています。
★ 歩行者・自転車 更には新たな歩行装置・SegWay等の適用も 今後の「道路」に求められています。
★ 時空を超えた「情報流通路:InformationTrafficWay」の 最適化手法は 既存「道路」の有効利用にも欠かせない「仕組み」の一つと
云えましょう。
◎ 現4車線の将来交通量推計:H42/2030の推計交通は「4車線」維持でも
OKである。 「6車線化」は「不要!!」
拡大
5.4 「交通量」の課題対策
「道路」が「車両優先」を標榜して「列島改造」に貢献した昭和40年代 さすがに平成に入り「もの造り」にも限界が来たのでした。
道路をはじめとした 多くの建設済み「公共施設」に「耐久性」限界を迎え 「維持・保守」に財政的負担限界が生じたのも「泡の崩壊」と無縁
ではありません。
紆余曲折を経て 道路構造令が「大幅に改定」されたのは平成13年です。 * 811 * 811A *820 〜* 823 * 835
・ 自動車中心から 歩行者・自動車も含めた「道路計画・設計思想」への大展開
・ 一層 地域の状況を踏まえた 弾力的な道路計画・運用基準への大展開
・ 全国画一的に運用されてきた道路構造を 地域の裁量に基づき運用する事への大展開
・ 従来計画決定された道路は必ず「作るべき」とされたが 既存の関連道路へ振り返る大展開
・ 未整備の都市計画道路の「幅員縮小」など規格変更して整備する事への大展開
この「変革」を契機に 平成10年代後半から「都市計画」「都市計画道路」の「見直し」が実施され「都市計画審議会」を中心として 地域地権者・
住民を含めた多くの市民の計画策定への参画が 一層「重要視」されるようになっています。
★ そこで 当該「環状道:南18条」の「6車線化計画」に関する「都市計画審議会:見直し」実体を調べてみましたが どの審議会議事録にも
当該道路の詳細データを審議した記録はない事が判明しました。
★ 関連する道路はいずれも設計交通量内に収まっていて 新たに車道拡幅を必要とする区域がない事が判明しています。。
★ 札幌市都市計画の中で「道路・交通」に関する主課題としては 次の点が指摘されています。
● 局所的な渋滞、冬期交通障害、交通事故対策、自転車対策、バリアフリー化などへ対応する。
抜粋 * 370G 道路整備に関する行政上の課題と委員会の背景・目的
★ 特に 都心部の 局地的・一時的な「交通停滞緩和策」として 次の2点が指摘されています。
● 都心への不必要な自動車流入を極力抑止する。
● 都心部の交通渋滞を緩和する。
抜粋 * 370C2 札幌市都市計画マスタープラン 第3章 部門別の取り組みの方針 3-2 交通
★ しかし 残念ながら いずれ関しても 具体的・定量的な数値根拠を示して 対策を策定した事実がない事が判明しています。
唯一 都心部「渋滞緩和」策として 実施報告されているのは 「荷卸しによる障害解消対策」だけです。
一部の道路改修を伴って実施した 僅か9日間の実験ではあっても それなりの好結果が得られた様です。
広い範囲への応用を検討し実践する事が望まれます。
★ 「渋滞」により「移動時間」が「増加」して「困る」のは 「誰なのか?」
車両の最大用途が「私用」であることを考えると 一番困るのは 「自動車利用者」であり 時間の「自己管理」の都合で 他の公共交通に
「迷惑」をかけている実態を考慮すると 「私」の為に「公」の投資で道路施設を充足する事には 多大な「問題」があるといえましょう。
通勤用の車両使用は 「私用」に比して 数分の一です。 「通勤時間」は 「勤務時間」とは別の「私」的時間管理の次元ですから やはり
個人の「時間の自己管理」課題として 論ずる事が「渋滞」を考える上で極めて肝要です。
★ 判明している全ての現状を踏まえて 以下 「提言」として考察結果をまとめる事にします。
★ 道路の計画策定は 明確な根拠を基に!
・ 一般道路(平地部)は 1時間・1車線当たり2,200台の交通量を設計基準(目安)として造られています。
単位: 通過車両台数/1車線/1時間 pcu/Hr passing car unit / Hour
[註] 交通実態評価時には 大型車混入率,信号機数など各道路状況に応じて 係数:K=0.9〜0.6 を用いる事があります。
1車線道路 | 2車線道路:両方向合計 | 4車線道路:両方向合計 | 6車線道路:両方向合計
1時間当り | 12時間当り 08時〜19時 | 1時間当り | 12時間当り 08時〜19時 | 1時間当り | 12時間当り 08時〜19時 | 1時間当り | 12時間当り 08時〜19時
| 2,200台 | 26,400台 | 4,400台 | 52,800台 | 8,800台 | 105,600台 | 13,200台 | 158,400台
| 当該「環状道:南19条通」の交通実態 ↓↓
交通量:実測台数 交差点:石山通 →
稼働率%=実台数/設計基準台数:QOS K = 1.0 の場合 →
信号機の多い道路の場合 K = 0.6 の場合 →
| 1,177台
13.4 %22.3 %
| 14,121台
13.4 %22.3 %
| ← 余裕度 = 約 7.5 倍 ← 余裕度 = 約 4.5 倍
| | |
・ 当該「環状道:南19条通」を含め 都市計画決定・整備済の「道路」交通量は 全て 標準「設計交通量」以内に収まっている
事実を 全市民 及び 全関係者が「認識する事」が肝要です。
・ 言い換えると これ以上道路を「造る必要性はない」という事を意味しています。
参照: 5.2 「交通量」の現状検証 * 658 交通量データ・・・QOSサマリー
★ 道路交通課題は 要因究明から!
・ 「都心部の一部での交通渋滞」が 道路交通課題の一つとして挙げられていますが 都市計画決定に際しては 具体的な
データを基にした「要因分析・検証・審議」が求められます。
・ 事例として「札幌市市電計画」の履歴について考察してみました。
・・ 札幌市「都心部交通渋滞」は 特に大商業地区「西4丁目」近傍に集中しています。
・・ 交通の流れを阻止する 多くの要因の中で 信号機以外の大きな要素として「路面電車軌道」が挙げられます。
・・ 昭和2/1927年以来 市民の足として利用されてきた市電は 地下鉄開通,財政課題などの諸事情により昭和49/1974年に
現在の1路線に縮小され 交通量緩和を考慮して駅前通:「西4丁目〜すすき野」区間も廃線となりました。
・・ しかし平成24/2012年 この区間は「市電ループ化」事業として「復活」されることになりました。
当然 公共交通利用による 車両交通量が大幅に緩和されるとの判断によるものと推察しますが
市電の「廃線・復活」に関わる都市計画策定において 都心部交通渋滞の要である当区間の「交通量」評価は 如何なる
データを基に検討・審議されてきたのか 一切の議事履歴が見当たりません。
・・ 都心部「交通渋滞緩和策」の一環として交通を「環状道:南19条通」に誘導する為に「4から6への多車線化」が必要で
あるとの都市計画審議会計画決定工程で どのような検証経緯があるのか 一切議論された履歴がありません。
・ 遡って 駅前通:「西4丁目〜すすき野」区間の交通量データ予測等を 総合的に再検証する事が不可欠です。
★ 「交通渋滞」の「原因分析」と「適正対策」を 明確に!
・ 「交通渋滞」は 流れを「阻害」する箇所があれば そこから 連鎖的に派生する現象です。 “ボトルネック”
Definition of Kerner’s BM principle: Breakdown Minimization =BM
The BM principle states that the optimum of a traffic network with N network
bottlenecks is reached, when dynamic traffic optimization and/or control are
performed in the network in such a way that the
probability for spontaneous occurrence of traffic breakdown in at least one of
the network bottlenecks during a given observation time reaches the minimum
possible value.
The BM principle is equivalent to the maximization of the probability that
traffic breakdown occurs at none of the network bottlenecks. 出典
・ 「阻害」要因の多くは 事故以外は 次の点が挙げられます。
信号待ち,違法駐車,路上荷さばき,客待ちタクシー,右折車待機,特定時間・特定区間の車両数増加,etc
・ 「阻害」対策としては
・・ 信号機対策・・・ 「需要予測信号の有効利用」 交通需要マネジメント:TDM
: 交差点に到着する車をセンサーで感知し交通量を予測。
: リアルタイム信号制御による 急激な交通渋滞発生の未然防止。
・・ 違法駐車・・・ 「厳格な規制」
・・ 路上荷さばき対策・・・ 「荷さばき可能駐車場・専用スペースの確保・設置」
・・ 客待ちタクシー対策・・・「タクシー待機場所確保」
・・ 右折車待機対策・・・「右折の専用レーン設置・専用レーンの延伸」
・・ 特定時間・特定区間の車両数増加対策・・・「交通量の分散」「近隣道路への誘導支持」
: 交通管制センターからの遠隔制御
: 交通情報板の設置
・ 「一般」対策としては
交通問題の解決のために、従来は道路整備など交通の供給側からの対応がなされてきた。
それに限界が生じたため、交通の需要側からの対応という発想が生まれた。
経路の変更・・・ 分散
手段の変更(地下鉄、バス、路面電車などの公共交通機関の更なる活用、パークアンドライドなど)
自動車の効率的利用(相乗り、カーシェアリング、共同集配など)
時間の変更(時差通勤、フレックスタイム制など)
発生源の調整(職住接近、在宅勤務、ロードプライシングなど)
・ 「経路制御」・・・参考:経路制御 IT NetWork 参考:多重ルーティング IT NetWork 参考:アドホック・モード IT NetWork
・・ 「トラフィック」の常時監視
・・ 最適「経路」へ 敏速な「誘導」
・ 「水流理論」・・・参考
・・ 分岐による 過水量分散
・・ 水路を大きくする分 水量は増加し続ける。
Building new roads and widening existing ones only results in additional traffic
that continues to rise until peak congestion returns to the previous level.
Expanding road space somehow, perhaps by widening an existing road or else by
adding a new road, bridge or tunnel, could well result in increased traffic
flow, otherwise known as induced demand, causing congestion to appear somewhere
else.
★ 交通分散 と 交通規制を !
・ 高度交通管理システムの有効活用
既存システムを一層有効に活用する事で 交通状況を常時把握する事。
・ 既存道路の有効利用促進
システム情報を用いて 交通状況に応じた 道路誘導を行い 交通量の分散を図る事。
・ 高度交通管理システムの有効活用
・ 可変車線変更の導入
時間・場所・交通量に応じて 上り下り車線数を化変設定させる事。
・ 車両使用自主規制・公共交通利用の啓蒙
不要不急の車両使用の自粛を促して 公共交通の利用促進の啓蒙を図る事。
・ 法的規制の適用強化
T・P・O を踏まえて 通行・進入・右左折禁止区域を設定する事。
T・P・O を踏まえた 通行有料化も 視野に入れる事。
・ 将来交通量減少を踏まえた道路計画策定
IT技術革新・ビジネス形態変化などによる 遠隔勤務・在宅勤務により 通勤ラッシュの減少が
見込まれている事。
SegWay等の新「車両」等にも 適合した「道路」利用・活用に配慮が必要。
・ 道路新設・拡張の抑制
Adding road capacity might make congestion worse even if demand does not increase.
congestion: 渋滞
・ 地域生活圏の安全性確保 提案
人口増加中の住宅区域の一般道路には「6車線」大量交通網を造らない事。
・ 冬季の除雪対策 提案
堆雪で車線を塞ぐことなく 季節に依らず常時片道2車線確保の為 車線数拡張ではなく 歩道を広げる事。
・ 右折専用レーンの設置 提案
「福住桑園通(市電西線)」及び「石山通(国道230号)」両交差点に「右折専用レーン」を設け 一時的に
生ずる「右折車」混雑緩和対策とする事。
Adding road capacity might make congestion worse even if demand does not increase. |
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・ ひとや物の通路として 「道路・街路」は長い間 新設・拡張備など「交通供給」の対応が講じられてきました。
・ しかし 国土・土地活用面,財政面などから限界を生じて来た現在 自動車の利用抑制を含め「交通需要」の側面が注視される時代に
変化しています。
・ 「造る」から「使う」道路として 時代に即した「都市計画」を 皆んなで考える事が肝要と考えています。
・ 都市計画審議会の責務の重要性を問う とともに 市民・住民の英知・専門知識をも結集して 「市民の 市民による 市民の為」の
「まち創り・道路造り」協働に励むつもりです ・・・ 将来の住み良い札幌市の発展に向けて。
Adding road capacity might make congestion
worse even if demand does not increase. |
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Otherwise induced demand, causing congestion
to appear somewhere else. |
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* 248G0 : 14.道路工事現場における 標示施設等の設置基準 道発第372号 昭和37年8月30日 国道利第37号 国道国防第205号 平成18年3月31日
道路工事現場における標示施設等の設置基準 昭和37年8月30日 道発第372号 昭和37年8月30日 道発第372号 道路局長通達
道路工事現場における標示施設等の設置基準等の一部改正について 平成18年3月31日 国道利第37号 国道国防第205号
* 248G1 : 路上工事看板設置関連通達改正のポイント ( 事 例 集 ) 平成18年9月 国土交通省 関東地方整備局
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* 250 : JTPA REPORT 都市と道路 H14/2002 Series 「まちづくりと街路 都市計画道路環状通(北大構内)整備事業」 Vol.1 No.2 2002 社団法人日本交通計画協会 ISSN 0289 Toshi to Ko-tsu
* 300J : 市ホーム > 観光/産業/ビジネス > 建築/測量/道路 > 道路 > 道路の整備 > 道路整備の進め方とその評価 > 札幌市幹線道路整備の取組みについて
* 320A : 第二章第二節 都市計画の決定及び変更
* 320B : 第五章 社会資本整備審議会の調査審議等及び都道府県都市計画審議会等
* 322 : 都市計画法施行令
* 329 : 都市計画制度における史的変遷とその現状について 平成21/2009年6月12日 早稲田大学 公共経営研究科
* 345 : 地方分権一括法関連情報 (1999/平成11年成立)
* 345C : 地方自治法 (昭和二十二年四月十七日法律第六十七号)
* 345C1 : 地方自治法施行令 (昭和二十二年五月三日政令第十六号)
* 345C2 : 地方自治法施行規則 (昭和二十二年五月三日内務省令第二十九号)
* 345E : 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(平成十一年法律第八十七号)(第七十八条関係)
* 345Ew : 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(WikiPedia)
* 345H : 内閣府ホーム > 内閣府の政策 > 地方分権改革
* 345M : 総務省トップ > 政策 > 地方行財政 > 地方自治制度
* 345X : 日本の地方分権改革15年の歩み (財法)自治体国際化協会(CLAIR) H20/2008/Mar
* 351 : ホーム > 市政情報 > 都市計画・再開発 > 都市計画 > 都市計画とは
* 352 : ホーム > 市政情報 > 都市計画・再開発 > 都市計画 > 都市計画とは > 札幌市都市計画の体系
* 353 : ホーム > 市政情報 > 都市計画・再開発 > 都市計画 > 札幌市都市計画決定手続き
* 353A : ホーム > 市政情報 > 都市計画・再開発 > 都市計画 > 札幌市が決定する都市計画
* 353B : ホーム > 市政情報 > 都市計画・再開発 > 都市計画 > 北海道が決定する都市計画決定手続き
* 354 : ホーム > 市政情報 > 都市計画・再開発 > 都市計画 > 札幌市都市計画の変更・決定履歴:平成16年度以後
* 354A : ホーム > 市政情報 > 都市計画・再開発 > 都市計画 > 都市計画の変更・決定 > 札幌市都市計画の変更・決定履歴:平成15年度以前
* 355 : ホーム > 市政情報 > 都市計画・再開発 > 都市計画 > 札幌市都市計画審議会
* 355A : ホーム > 市政情報 > 都市計画・再開発 > 都市計画 > 札幌市都市計画審議会 >札幌市都市計画審議会開催履歴歴:平成27/2015年度
* 355B : ホーム > 市政情報 > 都市計画・再開発 > 都市計画 > 札幌市都市計画審議会 >札幌市都市計画審議会開催履歴歴:平成26/2014年度以前
* 370A : ホーム > 市政情報 > 都市計画・再開発 > 都心のまちづくり > 都心まちづくりの計画 > 都心まちづくり計画 > 札幌市都心まちづくり計画の見直し検討状況
* 370B : ホーム > 市政情報 > 都市計画・再開発 > 都市計画 > 都市計画マスタープラン > 札幌市都市計画マスタープランの見直し検討状況
* 370C : ホーム > 市政情報 > 都市計画・再開発 > 都市計画 > 都市計画マスタープラン > 札幌市都市計画マスタープランの内容
* 370C1 : 3−2 「交通」 1/2
* 370C2 : 3−2 「交通」 2/2
* 390 : 札幌市都市計画審議会条例
* 430 : 地図:北海道札幌市中央区北1条西26丁目:宮の森通 S46/1971:4車線から6車線へ計画変更
* 700 : 道路法(1952/昭和二十七年六月十日法律第百八十号)
* 701 : 道路法施行令(1952/昭和二十七年十二月四日政令第四百七十九号)
* 800 : 道路交通法 (1960/昭和三十五年六月二十五日法律第百五号)
* 801 : 道路交通法施行令(1960/昭和35・10・11・政令270号)
* 802 : 道路交通法施行規則(1960/昭和三十五年十二月三日総理府令第六十号)
* 810 : 道路構造令(1970/昭和四十五年十月二十九日政令第三百二十号)
* 811 : 道路構造令の一部を改正する政令案について 2001/平成13年4月19日 国土交通省
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